Marina Abe

案件を自分の手で、0から生み出したい。彼女が営業を希望した理由はそこにある。建築学科の出身ではあるが、施工や設計ではなく自らプロジェクトを獲得する仕事に、醍醐味があると感じた。

入社3年目の春、自らが初めて開拓した顧客から、都内一等地での新規案件の引き合いをもらった。誰もが知る街の工事を、自分がつくり出せるかもしれない。そう思うと、自然と力が入った。

「頻繁に訪問を重ねて信頼関係を築けたことで、案件紹介を受けることができました。そこから、社内外含めさまざまな方にご協力いただきながら受注に向け提案活動を実施。なんとかお客様や社内の期待に応えたいという一心で取り組みました」

コストや工期、工法など多岐にわたる観点から検討を行い、アプローチを続けた。そしていよいよ、応札のときを迎える——。しかし、結果は失注だった。どれだけ努力を重ねても、成果が出ないこともある。これがビジネスの厳しさだ。それでも彼女のパフォーマンスは評価され、「ここまで熱心に対応してくださったので、次の機会ではぜひ」と、先方の担当者から言葉をもらえた。

「残念ではありますが、やれることはやったうえでの結果なので仕方ありません。それ以上に、他部門の方々との連携や業務の優先順位の付け方、お客様との信頼関係の築き方など、多くのことを学ぶことができ大変勉強になりました。また次に向けて頑張るのみです」

転んでもタダでは起きない。彼女が社内外から厚い信頼を得ている証である。