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Technology・Solution 技術・ソリューション 土木技術

ダイス・ロッド式摩擦ダンパー®(DRF-DP®)

概要

兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)以降、既設橋梁の耐震補強が実施されてきました。その耐震補強は橋脚においてある程度の変形を許容しながら、倒壊、落橋を防止する方向で進められてきました。

しかしながら、倒壊や落橋を免れたとしても、地震による変形(損傷)が甚大な場合は、地震直後に交通機能の維持ができず、緊急車両の通行や救援物資の輸送などといった災害時に求められる公共インフラの役割を果たすことができません。

そこで、当社は新しい機能を持った制震デバイスとして「ダイス・ロッド式摩擦ダンパー(DRF-DP)」を首都高速道路株式会社と共同開発しました。本摩擦ダンパーは、ダイス(環)とロッド(芯棒)との接触面に生じる摩擦力により、振動エネルギーを摩擦熱に変換して吸収することで効率よく揺れを減衰させる優れたデバイスです。

本摩擦ダンパーを既設橋梁の上部工・下部工の間(支承部)に橋軸直角方向に設置し、耐震性能を向上させることにより、大地震に対して橋梁基部を弾性範囲ないし限定的な損傷に留め、地震直後も緊急輸送路としての機能を維持することが可能となります。

工法イメージ工法イメージ

特徴

固定効果とエネルギー吸収効果

中規模以下の地震においてはDRF-DPはサイドブロックとして機能し、支承部を「固定」し橋軸直角方向の桁ずれを生じさせないことによって伸縮装置の損傷を防止します。

また、大地震時にはDRF-DPが伸縮し、振動エネルギーを吸収することによって橋脚基部の損傷を抑制するとともに揺れを減衰させます。

  • 中規模地震時におけるサイドブロックとしての固定機能
  • 大地震時における制震デバイスとしての減衰機能

橋脚基部の損傷を最大60%低減

耐震性検証のため、橋梁の地震時挙動を再現した振動台実験の結果、本摩擦ダンパーによる補強後は補強前に比べ、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災2011年)や兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災1995年)に相当する大地震時における下部工の損傷を最大約60%低減できる等の優れた耐震性能を発揮することが確認されました。

土木研究所(茨城県つくば市)の三次元大型振動台による検証実験土木研究所(茨城県つくば市)の三次元大型振動台による検証実験

層間変位の時刻歴波形

優れた繰り返し性能

東日本大震災のように海洋型の地震動は、大きな揺れが多数回繰り返されます。DRF-DPに対する多数回繰り返し実験を行った結果、東北地方太平洋沖地震相当の加振を断続的に多数回繰返しても安定した耐震性能を発揮し優れた耐久性能を有することが確認できました。

製品ラインナップ

ダンパー図

2021年1月現在

ラインナップ表

摩擦荷重は100kN刻み、最大ストロークは50mm刻みの中間サイズも製作可能です。
寸法・重量は代表値であり、設計により変動します。

実績

首都高速道路11号台場線にてロッキングピア形式(上下端がピンとなっている形式)の橋脚を見直した結果、補強工事が必要となり、2020年に650kNクラスDRF-DP 2基、1000kNクラスDRF-DP 4基が (株)横河ブリッジの施工で設置されました。

650kN適用事例:首都高速道路11号台場線(港区海岸)650kN適用事例:首都高速道路11号台場線(港区海岸)

1000kN適用事例:首都高速道路11号台場線(港区海岸)1000kN適用事例:首都高速道路11号台場線(港区海岸)

650kN 橋脚上面設置(水平スライドブラケット)650kN 橋脚上面設置(水平スライドブラケット)

1000kN 橋脚側面設置(桁高調整ブラケット)1000kN 橋脚側面設置(桁高調整ブラケット)

よくある質問

Q. 施工後の保守メンテナンスが必要ですか?

A. 摩擦ダンパー自体は、摩擦力が殆ど経年変化しないことを試験的に確認しており、メンテナンスフリーとしています。
その他、取付けボルトや鋼材塗装部等に関しては、各施主(首都高、ネクスコ、阪神高速など)が個別に定めている鋼橋の保守メンテ指針に準拠するものと考えております。

Q. 落橋防止にも対応していますか?

A. 部材の強度が高く、橋軸直角方向の変位を拘束することができるため、落橋防止(横変位拘束構造)にも対応することができます。

Q. 摩擦ダンパーは、大地震1回で交換が必要ですか?繰返し使用可能ですか?

A. 繰返し使用可能です。実験では、レベル2の大地震を複数回経験しても、安定した性能を維持できることを確認しています。
また、多数回地震を受けた後、容易に点検・交換できるような対策も講じております。(検知センサ、着脱機能)

Q. 摩擦ダンパーの荷重は最大でどの程度まで製作できますか?

A. 現在、最大荷重1000kN(ストローク±300mm)の摩擦ダンパーまで製作できております。

Q. 施工実績はありますか?

A. 2020年2月 (株)横河ブリッジが受注している首都高速道路11号台場線で650kN 2本、1000KN 4本が初めて橋軸直角方向に設置されました。

Q. 鋼製支承に摩擦ダンパーを設置できますか?

A. 摩擦ダンパーはゴム支承との組み合わせにより、その効果を発揮します。そのため、鋼製支承の場合はゴム支承への交換が必要になります。

ダイス・ロッド式摩擦ダンパー(DRF-DP)のトピックス

2020.02.21
「初適用」株式会社横河ブリッジ様が受注した首都高11号線台場線の耐震補強工事で、650KNダンパー2本、1,000KNダンパー4本が設置されました。
2013.11.01
首都高速道路株式会社と「ダイス・ロッド式摩擦ダンパー」の共同研究を開始しました

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