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ダイス・ロッド式摩擦ダンパー®(DRF-DP®)

概要

地震が多発する我が国では、大規模地震時における既設橋梁の橋脚損傷制御と復旧性が課題となっています。兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)以降、地震による落橋や倒壊を防止するため、橋脚巻き立て・支承交換等の既設橋梁の耐震補強が実施されてきました。

しかしながら、これらの補強は地表面以下に埋設されている橋脚基部を塑性化するため、その損傷程度の把握や補修が困難となり、地震直後に交通機能の維持ができず、緊急車両の通行や救援物資の輸送などといった災害時に求められる公共インフラの役割を果たすことができません。

そこで、当社は固定支承側の橋脚の制震化を実現する新しい機能を持った制震デバイスとして「ダイス・ロッド式摩擦ダンパー®(DRF-DP®)」を首都高速道路株式会社と共同開発しました。本摩擦ダンパーは、ダイス(環)とロッド(芯棒)との接触面に生じる摩擦力により、振動エネルギーを摩擦熱に変換して吸収することで効率よく揺れを減衰させる優れたデバイスです。

本摩擦ダンパーを、固定支承を有する既設橋梁の上部工・下部工の間(支承部)に設置し、耐震性能を向上させることにより、大地震に対して橋梁基部を弾性範囲ないし限定的な損傷に留め、地震直後も緊急輸送路としての機能を維持することが可能となります。

工法イメージ工法イメージ

    

技術説明動画(3分38秒)

特徴

固定効果とエネルギー吸収効果

本摩擦ダンパーは、レベル 1 地震時(中規模の地震時)とレベル2地震時(大地震時)にそれぞれ別々の効果を発揮するデバイスです。

レベル 1 地震時においては、固定部材(サイドブロック)の役割として桁ずれ (支承変位)の発生を防止します。橋軸直角方向に設置した場合は桁伸縮装置の損傷を回避することができます。

また、レベル2地震時には本摩擦ダンパーが伸縮し、振動エネルギーを吸収することによって橋脚基部の損傷を抑制するとともに揺れを減衰させます。

  • レベル 1 地震時におけるサイドブロックとしての固定機能(22秒)
  • レベル2地震時における制震デバイスとしての減衰機能(22秒)

シンプルな構造

本摩擦ダンパーは、金属同士の摩擦を活用した、シンプルでコンパクトな構造です。 金属製のダイス(環)の内径より少し太いロッド(芯棒)をダイスにはめ込むことで、ロッドの外周に締付け力が生じ、軸方向に押し引きされると、ダイスとロッドの接触面に摩擦力が発生する仕組みです。 本摩擦ダンパーは、所定の荷重未満では摺動せず(固定)、所定の荷重に達すると一定の摩擦力を維持して摺動します。

橋軸直角方向の制震化に対応

本摩擦ダンパーは「橋軸直角方向」に効果を発揮します。

橋軸直角方向についてはほとんどの橋脚で固定条件とされていたこともあり、免震・制震化があまり進んでいませんでした。 本摩擦ダンパーは、レベル 1 地震動に対する固定機能とレベル 2 地震動に対する減衰機能を両立するため、橋軸直角方向の固定支承部の制震装置として適用することができます。

特殊な条件の橋梁にも対応

本摩擦ダンパーは、既設橋梁の上部工と下部工の間に設置することから、下部構造の耐震補強が困難な既設橋梁にて特に有効です。例えば、橋脚が河川堤防や鉄道構造物と一体となっている場合が挙げられます。本摩擦ダンパーを適用することで、地中に埋設している基部・基礎部の補修が不要となり、地震後の道路ネットワークの早期復旧を実現します。 また、補強工事よる交通規制が難しい場合や交通規制による渋滞の影響が大きい場所の橋梁においては、最小限の規制にて施工が可能です。

橋脚基部の損傷を最大60%低減

耐震性検証のため、橋梁の地震時挙動を再現した振動台実験の結果、本摩擦ダンパーによる補強後は補強前に比べ、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災2011年)や兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災1995年)に相当する大地震時における下部工の損傷を最大約60%低減できる等の優れた耐震性能を発揮することが確認されました。

土木研究所(茨城県つくば市)の三次元大型振動台による検証実験土木研究所(茨城県つくば市)の三次元大型振動台による検証実験

層間変位の時刻歴波形(19秒)

優れた繰り返し性能

2016年の熊本地震では、レベル2相当の地震動が短期間に2度発生しました。このような場合でも制震デバイスが十分に性能を発揮することが求められます。本摩擦ダンパーに対する多数回繰り返し実験を行った結果、東北地方太平洋沖地震相当の加振を断続的に多数回繰返しても安定した耐震性能を発揮し優れた耐久性能を有することが確認できています。

製品ラインナップ

ダンパー図

2021年1月現在

ラインナップ表

摩擦荷重は50kN刻み、最大ストロークは50mm刻みの中間サイズも製作可能です。
寸法・重量は代表値であり、設計により変動します。

実績

首都高速道路11号台場線にてロッキングピア形式(上下端がピンとなっている形式)の橋脚を調査した結果、補強工事が必要となり、2020年に650kNクラス2基、1000kNクラス4基が (株)横河ブリッジの施工で設置されました。

650kN適用事例:首都高速道路11号台場線(港区海岸)650kN適用事例:首都高速道路11号台場線(港区海岸)

1000kN適用事例:首都高速道路11号台場線(港区海岸)1000kN適用事例:首都高速道路11号台場線(港区海岸)

650kN 橋脚上面設置(水平スライドブラケット)650kN 橋脚上面設置(水平スライドブラケット)

1000kN 橋脚側面設置(桁高調整ブラケット)1000kN 橋脚側面設置(桁高調整ブラケット)

リーフレット

(1.65MB)画像をクリックするとページが開きます。

技術評価

受賞・技術登録

  • 国土交通省 新技術情報提供システム(NETIS)に登録 KT-200137-A(2021)
  • 第23回国土技術開発賞に入賞(2021)

関連論文

よくある質問

Q. なぜ橋軸直角方向に取付けるのですか?そのメリットは何ですか?

A. 通常の橋梁は、橋軸直角方向に対し固定条件で設計されています。
粘性ダンパーで橋軸直角方向の制震効果を得ようとするとレベル1地震動程度でも変位が生じ、上部工ジョイントの損傷にも繋がります。
摩擦ダンパーは、レベル1地震動時には固定支承として働き、レベル2地震動時には地震エネルギーを効率よく吸収して橋脚基部の損傷を低減するといった2つの機能を兼ね備えています。そのため、橋軸直角方向の補強に用いることができます。

Q. 施工後の保守メンテナンスは必要ですか?

A. 摩擦ダンパー自体は、摩擦力が殆ど経年変化しないことを試験的に確認しており、メンテナンスフリーとしています。
その他、取付けボルトや鋼材塗装部等に関しては、事業主が個別に定めている鋼橋の保守メンテナンス等の指針に準拠するものと考えております。

Q. 施工実績はありますか?

A. 2020年2月に(株)横河ブリッジが施工した首都高速11号台場線の補強工事で初めて650kN2本、1000kN4本が設置されました。

Q. レベル1地震動時に、上下部構造間の相対変位(桁ズレ)を拘束する固定機能を持たせるのはなぜですか?

A. 固定支承や桁ジョイント部材等は、相対変位に追随できる仕様になっておらず、頻繁に発生するレベル1地震動で相対変位を生じさせると、その都度補修しなければならず、維持管理の面で好ましくないためです。

Q. 摩擦ダンパーの設置には大規模な足場やクレーン等の重機が必要ですか?

A. 摩擦ダンパーの重量は100~700㎏程度であり、吊り足場やチェーンブロック等の吊具で施工可能と考えております。
ブラケットの設置が必要な場合は別途施工方法の検討が必要です。また、支承交換が無ければジャッキアップ等も不要です。

Q. 橋軸直角方向、橋軸方向どちらにも設置できますか?

A. レベル1地震動時に固定条件として設計する橋脚であれば、橋軸直角方向、橋軸方向どちらにも設置できます。

ダイス・ロッド式摩擦ダンパー(DRF-DP)のトピックス

2020.02.21
「初適用」株式会社横河ブリッジ様が受注した首都高11号線台場線の耐震補強工事で、650KNダンパー2本、1,000KNダンパー4本が設置されました。
2013.11.01
首都高速道路株式会社と「ダイス・ロッド式摩擦ダンパー」の共同研究を開始しました

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