無収縮モルタルを用いた鋼板巻立て補強工法
概要
地震大国である日本においては、既存するコンクリート構造物の耐震補強が重要視されています。
様々な耐震補強工法が研究開発されている中、本工法は、充填材として流動性の高い無収縮モルタルを用いることで、従来のエポキシ樹脂と同等の耐力・靭性能を保ちつつ、低コストの施工を可能にしました。
経済性・施工性に優れ、確実な充填性を確保でき、またアンカー筋をフーチングに定着させることで、橋脚耐力を向上させ、基礎へ伝わる地震力を適切に低減させます。
鋼板巻立て補強工法 橋脚補強概要図
特徴
1. 鋼板巻立て工法
鋼板と既存構造物のコンクリートを無収縮モルタルで一体化させて躯体のコンクリートを拘束し、靭性能や曲げ耐力および、せん断耐力を向上させます。
また、RC増厚補強と比較すると、断面の増加が少なく、都市部などにおける建設限界の制約がある施工箇所にも有効的です。
2. 無収縮モルタル
従来のエポキシ樹脂と比べて、安価で充填性が高く、プラントでの製造により、安定した品質が保証できます。これにより、大量出荷時の経済性・施工性が向上します。
3. アンカー筋の設置
アンカー筋をフーチングに定着させることによって、橋脚の耐力を向上させることはもとより、基礎へ伝達される地震力を適切に低減させます。
4. 基部補強
円形鋼板を用いて基部の補強をすることによって、構造物の靭性能が向上します。