概要

ダイス・ロッド式摩擦ダンパー(DRFダンパー)は、橋梁の橋脚と橋桁の間に設置する摩擦型の制震デバイスです。「固定機能」と「エネルギー吸収機能」によって橋梁の耐震性能を向上させ、国土強靭化に貢献します。

特徴・メリット

  • 金属のみのシンプルな構造

    DRFダンパーは、ダイス(金属環)の内径より少し太いロッド(金属芯棒)をダイスにはめ込むことで、ダイスとロッドの接触面に生じる摩擦力を利用したシンプルな構造です。

    DRFダンパーの構造

  • 固定機能とエネルギー吸収機能の両立

    DRFダンパーは、所定の荷重未満では伸縮せず「固定機能」を発揮し、所定の荷重に達すると一定の摩擦力を維持して伸縮し「エネルギー吸収機能」を発揮します。

  • 耐震性能の向上

    中規模なレベル 1 地震時には、固定機能を発揮して桁ずれ の発生を防ぎます。
    大規模なレベル2地震時には、エネルギー吸収機能を発揮して橋脚基部の損傷を低減します。

    DRFダンパーの適用効果の概念

  • 橋脚損傷を大幅低減

    橋梁の地震時挙動を再現した解析シミュレーションや振動台実験を行った結果、DRFダンパーを設置することにより、東北地方太平洋沖地震(H.23)や兵庫県南部地震(H.7)に相当するレベル2地震時における橋脚基部の損傷を約60%低減できる等、優れた耐震性能を発揮することが確認されました。

    層間変位の時刻歴波形(19秒)

  • 橋軸方向だけでなく橋軸直角方向にも有効

    DRFダンパーは、レベル 1 地震時の固定機能とレベル 2 地震時のエネルギー吸収を両立できるため、橋軸方向だけでなく、未だ制震デバイスの設置が普及していない「橋軸直角方向」の耐震性向上にも有効です。

  • 下部構造の補強が困難な既設橋梁に有効

    DRFダンパーは、橋桁の直下に設置するため、下部構造(橋脚・基礎)を直接補強すること無く、下部構造の耐震性向上を実現します。そのため、橋脚基部が地中や河川に埋まっている等、下部構造の補強・補修工事が困難な既設橋梁の耐震補強に有効です。

  • コンパクト(小型軽量)

    DRFダンパーは、部品数が少なく小型軽量のため、設計の自由度が高く施工性に優れています。

  • 長期にわたり適用が可能

    DRFダンパーは、レベル2地震時の揺れを十数回経験しても安定した耐震性能を発揮する等、優れた繰返し耐久性を有しています。また、20年以上の期間メンテナンスフリーで屋外暴露しても殆ど性能変化しない等、優れた長期耐久性を有しています。

工法説明動画

  • 工法紹介動画(5分36秒)

リーフレット

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