高流動コンクリート
概要
高流動コンクリートは、高い流動性と材料分離抵抗性を兼ね備えており、充填性の向上や強度・耐久性も優れています。
複雑な形状や過密な配筋の構造物の場合でも、バイブレータによる振動や締固めをせず、型枠内に流し込むだけで、型枠の隅々まで密実に充填ができます。これらの性能から、「自己充填(性)コンクリート」とも呼ばれています。
また、本コンクリートの適用により、中空3連ボックス形状のアーチリブ・クラウンを全断面で施工でき、密実で高品質な構造物の工期の短縮を可能にします。
施工例 茶間川橋RC単純逆ローゼアーチ橋のアーチリブ部とクラウン部
特徴
1. 充填性の向上
充填性が向上することにより、構造物の品質がよくなり、それに伴い信頼性も高まります。また、設計の自由度も拡大します。
2. 締固めが不要
締固め作業の省略によって、施工中の省人化が図れ、騒音や振動の低減による環境の改善ができます。
また、大量打設により工期の短縮が図れ、施工管理の合理化にもつながります。
3. 高強度・高耐久性
部材の寸法や掘削面の縮小が可能となります。また、構造物の長寿命化も実現できます。
4. 総合的な経済性の向上
作業の省略や施工の省人化などによって、総合的に経済性が高まります。
施工例
下水道塩ビ管周りの中詰めコンクリート
施工例
共同溝の中壁と覆工
用途
あらゆるコンクリート構造物に用いることができます。
- オフィスビル、集合住宅、倉庫などの一般建築物
- 高速道路、橋梁、擁壁、地中連続壁などの公共構造物
- 高強度で過密配筋な部材を持つ超高層ビル
- シールドトンネルの二次覆工
- 地下発電所のケーシング周り、水圧管周りなどの充填
- 橋梁アンカレイジなどの大規模構造物
- カーテンウォール、ボックスカルバート、セグメントなどの工場二次製品
- 構造物の補修や補強
- コンクリート打放し仕上げ、模様型枠などの表面仕上げ向上
- タイル先付け工法、特殊仕上げ材取付けの表面接着向上
- 複雑な形状を持ったコンクリート製モニュメント
- 逆打ちコンクリートを必要とする箇所
- 各種廃棄物処理施設や地下構造物など密閉を必要とする箇所
- 鋼コンクリートサンドイッチ構造、鋼管コンクリート、プレキャスト部材接合など新工法への適用